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三界苦輪寸描家 服部潤


自分とは、生きるとは、何か?実生活に於いて何ら便ずるところの無い思索の日々。物心付いた頃からの悪癖といってもいい性質の、謂わば息抜きとして書道がありました。師の書風、或いは古典の書体を黙々として書き写す書の道を、さして苦にも思わず、さりとて熱するということもなく歩んで来た二十代の終り、禅の思想に出逢い、一休、良寛、仙厓といった禅僧達の書作品に出逢い、これまでの書への態度が一変しました。

この先、彼等の書の境涯に及ぶことはあり得ぬとしても、自分も己の字で、己の想いを、己の言葉で書きたいと全身で思った始めでありました。私にとって『書』とは、自分の愚を、苦を、悲を、寂を、疑を、信を、ちぎって、画仙紙にすり込む作業です。

1973年  宮崎県生まれ

1993年  高校中退後しばらく  のち上京。 職を転々としながら、少年期、唯一誉められた経験を持つ書道をこの頃より再開。

2003年  「日本書道教育学会」師範を取得後、宮崎に帰郷。

2005年  以前より親しんでいた詩や哲学の世界を経て、禅の道への関心が深まり、禅寺に通い、座禅や説法を通じて禅語や自作の詩など書と絵を合わせた作品の創作を始める。書体も従来の書道から我流となる。

2007年  第1回個展を宮崎市内で開催。以後、県内各地、熊本などで定期的に個展を継続中。(計14回)

2010年  宮崎市内にて、書道教室・はがき絵教室を始める。

2014年  宮崎刑務所にて受刑者に写経など指導中。